
山形県天童市は、木製家具で知られる町である。まわりの山々には、豊かな緑がしげり、大きな森が広がる。そこで伐られた木材を用いる地場産業なのだ。多田木工製作所は、いわば地域の生活を支えた大切な会社である。今回、PingMagMAKEでは、この会社を勤めあげた、ひとりの木工職人さんに話を聞いた。工場に勤める、職人さんにとっての、ものづくりって何なのだろう?
Q, 工場を拝見して、一番驚いたのは、らせん状の家具だったんですけど、あんなに原始的な方法でつくっているというのは、想像外でした。
A, あれは、照明付きのコートハンガーで「スパイラル」という名前の商品なのですけど、一本一本を手曲げによる特殊加工をしてつくっているんです。使用しているのは、厚さ1.5センチ、長さ2.5メートルの4本の無垢のオーク材(なら材)です。出来上がった商品は、高さが約2メートルになります。
Q, 木材をあんな風に曲げることが可能なんですね。
A, 最初、あのデザイン画を見たときには、正直な話、「こんな形のものができるはずがない」と僕らでさえも思っていました。それでも、2ヶ月間、試行錯誤をしてみたんですね。どうやって圧力をかけるのがいいのか。その結果、ナラ材を蒸し、圧力をかけて繊維を柔らかくしてから、円柱に巻き付けて固定するやり方を導き出したわけです。この技術を編み出したお陰で、今後、商品の幅も広がると思います。続きはPingmag MAKEで。