
日本の和紙は、世界中のアーティストや版画家に高い評価を受けている。手づくりならではの感触が、作品に何とも言えない温もりを与えるからだ。そんな背景をふまえ、徳島県にある和紙工房は、アーティストとのコラボレーションに力点を置く。伝統を守るだけでは、世界を相手に戦えない。いかに柔軟に考え、革新的な発想ができるか、それが生き残りのカギとなる。開放感あふれる空間である、この工房には、はてしない可能性が潜んでいる。
Q.大学卒業してから、すぐにこの工房に入られたのですか?
A.大学時代にはみんな考えるでしょ。就職しようか、家業を引き継ごうか。で、僕も3年生の夏休みに東北の紙漉き場をずっと見学していたんですね。大学は大阪だったけど、「もし徳島へ帰ったら、東北に行く機会はまずないだろう」と思って。自分の家が紙漉きをやっていたから、東北の紙漉き場を見て回ろうと計画した。その時に、紙漉きの状況を知ったんです。ちゃんとできてるところがあれば、できてないところ、もう、ほとんどやめているところもあった。
Q.その旅で人生を左右する出会いがあったのでしょうか?
宮城県白石市というところに遠藤さんという紙漉きがいた。彼の工房を見たときに、自分の紙に関して非常に自身と誇りを持っているな、と感じた。20歳そこそこの若い私を相手にきちっと囲炉裏ばたごしで1時間あまりも説明してくれて。自分の仕事がどうの、紙がどうの。「ああ、こういう風な生き方をすれば、和紙をやっとっても一生の仕事としてやっていける」と思った。それが、徳島に帰ることになったきっかけでした。続きはPingmag MAKEで。