
広島県熊野町、ここは、伝統的に筆で有名な土地。長きにわたり培われた伝統技を活用し、これまでにない肌触りの化粧筆をつくり、化粧品業界という新しい舞台を切り開いた男がいる。この人物、一見呑気そうに見えるのだが、その実、斬新なアイディアは、常に彼の脳を巡っているようなのである。
Q,髙本さんは、最初から筆の世界でお仕事をされているのですか?
A,いいえ。大学卒業してからは、本当は、農業でもやろうと思っとりました。でも、どうしてか建設会社に入って2年間ほど働いた後、実家の洋画筆の問屋業が忙しくなったということで、ふたりの兄の営むその会社に勤めたんですね。父は、私が学生の頃に亡くなってました。ここ、熊野という場所は、書道筆で有名なところですからね。この町以外に生まれとったら、まったく知らんかった世界でしょうね。
Q,現在の白鳳堂は、どんな想いではじめられたんですか?
A,実家の洋画筆製造業の時代に、筆に対する疑問が沸いたからです。当時は、時代的に書筆も、絵筆も、化粧筆も、ものすごく需要があったわけです。だから、分業化して、省力化していった。本来の筆づくりというのは、最初から最後までひとりつくるもんなのですが、とにかく量産しようという流れの中で仕事をした結果品質を落としていきました。「本当は、こんなんじゃないはずだ」そう思って、会社を起ち上げたんですね。続きはPingMag MAKEで。