
山形は、日本でもっとも古い鋳物の産地である。ここには、モダンな鋳物を製造するメーカーが数社存在している。その中でも、もっとも古い老舗として知られるのが、菊地保寿堂だ。過去の文献を漁り、歴史をひも解けば、伝統は革新の連続であると、このメーカーの頭首は語る。その秘密を探るため、最も古く最も新しいものづくりをする、同社を訪ねた。
Q、山形県の鋳物の歴史というのは、非常に古いものだと聞いています。山寺の辺りには、960年前から鋳物をつくる人たちがいたと言われていますね。菊地さんは、同工房の何代目にあたるんでしょうか?
A、15代目にあたります。1604年、慶長9年が創業になります。ですから、公式な文献に基づいて探るだけでも、400年以上の歴史があります。ただ、いろいろ調べてみると、ウチは安土桃山時代からやっていることは間違いないようですね。
Q、工房としても長い歴史を背負っているんですね。先代から受け継がれてからは何年になりますか?
A、私の父は56歳のときに亡くなりましたから、かれこれ26年位になります。私は23歳のときに、会社を継いだ形になりますね。
Q、随分早く継いでいますが、戸惑いはありませんでしたか?
A、ありませんでしたね。ウチの父親は、「家を継げ」なんてことは言わなかった。父は他界していますが、死ぬ直前にでさえ、わざわざ僕に「継ぎたくなければ継がなくていい」とまで言っていたくらいですから。つづきはPingMag MAKEで