材料のプロたちがやってきてくれました。写真の右から、昭和化成の清水さんと柳澤さん、沖ガラスの藤田さん、日本板硝子ウムプロダクツの高橋さん

よく見ると、ウムがまだらになってしまっているのが分かります。経年変化でどうなるのかも気になるところ。

単純に重合接着(簡易接着)して、赤いアクリルを透明のアクリルで挟んだものです。アクリルだけだとこんなにきれい。


柳澤さんと清水さんがつくってくれたサンプルに、電源を通して見ました。上がオフのとき、下がオンにしたところ。照明を当てたときによりはっきり違いが出るのかなど、確認すべき項目はまだまだあります。

材料のプロ

今回は、透明ブロックの制作の打ち合わせです。日本板硝子ウムプロダクツ株式会社の高橋さんが、アクリル加工の専門業者―株式会社昭和化成の柳澤さんと清水さんと一緒に、訪ねてくださいました。

プロだから不合格

アクリル板にウムを挟んで一番きれいに仕上がるのは「重合接着」だとすでにお伝えしました。接着面に隙間をつくり、モノマー(アクリル原材料)を注入・硬化させる方法です。熱処理に時間がかかり工程も増えるため、値段が高いというのが大きなネック。そこで柳澤さんと清水さんは、重合接着の中でも、工程を簡略化して処理の時間も短縮した「簡易接着」を採用し、サンプルを作ってきてくれました。ほかにも、荷重をかけずに、つまり作業をより単純にしてつくったものや、ウムの代わりに赤いアクリル板を挟んだものなどもあわせて持ってきてくれました。
アクリルの加工はお手のものの昭和化成ですが、ウムを挟むのは初めての試み(高橋さんにとっても初めてとのこと)。ウムをどう切るか、硬化剤の配合や湿度などどこまでどう手をかけるべきか、試行錯誤しながら作業してくれたそうです。 また一歩先に進んでいるのが嬉しくて「きれいですねぇ」と伝えたところ、「いえ、問題があります」と高橋さんが冷静に言います。よくよく目を凝らすと小さな泡が見えますが、泡は脱泡すれば大丈夫なのだそうです。ウムの置き方や接着剤の硬化剤の量などで、泡の発生は防げるはずなのだとか。
それでは何が問題なのでしょう。「ウムが小口からダメになってきているんです。ほら、まだらに見えませんか?」よく見ると、電源がオフの時には半透明であるべきウムが、透明に近くなっているところがあります。清水さんもこれは気になっていたとのこと。原因は熱なのか、溶剤の配合なのかはっきりは分からないと高橋さんは言います。また、この先まだらは広がっていくのか、これも現時点ではなんともいえません。「とにかく小口を保護する方法を考えましょう。ヒートプレスか何かでシールするのがいいと思います。」アクリルとウムの組み合わせに関するデータがないだけに、難問です。

コストダウンの可能性

簡易接着は、本式の重合接着ほどコストと時間がかからないとは言うものの、現実問題としては、このままでは予算の半分がアクリルの加工費になってしまいます。
「別のやり方で、コストが変わる方法を考えてもらえないだろうか」。柳澤さんにこう切り出してくれたのは、高橋さんです。「アクリルフレームの写真立てのように、ビスで四方を留めたりとか。見栄えの問題は当然つきまとうけれども、コストの幅がどれぐらいあるのかを把握したいのです」
高橋さんが言うとおり、安ければ何でもいいというわけではありません。古平さんのイメージを形にするために最適な方法と的確なコストを判断するのが私たちの役目です。選択肢が残っているのだとしたら、やはり見てから判断したい。柳澤さんと清水さんも了承してくれました。
回路の設計・制作をしてくれる株式会社シマエレの嶋村さんとも打ち合わせをしました。嶋村さんは、無理だと最初から決め付けずにどんどん希望を伝えて下さいといってくれます。
「僕は、CGは信じないんです。」実際につくってみないとやっぱりダメ。見た目を優先したっていいではないですか。それでもし電気系統の処理が非現実的だとしても、とにかく作ってみること。処理をどうするかは、つくってから次に考えればいいんです。だからまずは、希望を伝えて欲しい」。
希望を形にしてくれる人たちが脇を固めてくれたことで、一回一回の打ち合わせが充実しています。ゴールまであと少し。気を抜かずに、進んでいきます。

 

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