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| ▲アルファベットのAにエッチング加工した「ウム」一枚をアクリルの板に挟んで電源をオンオフしています。 |
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| ▲この3枚の写真は、AとBの2枚を挟んでいます。上はBがオフでAをオン、真ん中はAもBもオン、下はBがオンでAがオフです。 |
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どうすれば文字が切り替わって、透明な箱に浮かんで見えるか。1年以上このプロジェクトに取り組んできましたが、技術はかなりゴールに近づいてきました。これまでの成果を見てもらいたいと、ある人に会いに行きました。

左の写真は、現状の実験機の能力で達成可能な、完成予想の状態を示した合成写真です。電源のオンオフで、透明な箱に文字が浮かんでは消えます。技術的な問題はかなりクリアになってきたので、あとはお金を出してつくるかどうか、です。試作を通じて実際にできることを証明するという「最初のゴール」は見えてきたのです。
「ものづくりに大切なのは、まずひとつゴールをつくることですよ。」このプロジェクトを始めて4ヶ月ほど経った時、ソニー株式会社の森芳久さんにこう言われました。商品の付加価値や将来性を先走って伝えようとする私たちに、それよりまずひとつのゴールにたどり着くことが大事だと、森さんは教えてくれたのです。
森さんにこの写真を見てもらうため、品川のソニーへ向かいました。お会いするのは1年ぶりです。この写真を見てもらうことで、この1年間何をしてきたかが森さんには分かるだろうから、細かい説明はいりません。
「よくやりましたね。僕は正直、ここまでくるとは思っていませんでした。」本当ですか?予期していなかった嬉しい言葉です。思いきって聞いてみました。「商品化の手前ですが、技術的に解決がついたこの時点を、ゴールにしたいという気持ちもあるんです。」商品になったときに本当に需要があるのかどうかが、見えてこない。それならばここをゴールにする判断も必要なのではないかと思っているのです。
「この間はゴールの話をしましたが、もうひとつ大事なことがあります。それは『着地』。始めた物事をどう着地させるか、です。ここまでやってきた責任があるんですよ。」
森さんは、お会いするたびに力強くそして重い言葉をおっしゃいます。ゴールに対してどう着地するか、そこか肝心だということを教えてくださったのです。

森さんと会った後すぐに古平さんとミーティングを行い、需要が見えてこない不安も含めて、これからのことを話しました。
ここから先時間とお金をかけるべきかどうか、今の段階をゴールにするのも一案なのではないか、と迷う私たちに、古平さんは「いま手元にある合成写真で判断するとすれば、この写真から見えてくるイメージは商品としては弱く感じる。僕の頭にあるイメージがうまく伝わらないと思うんです。例えばひとつの箱に文字を複数入れることにこだわってきたけれど、ひとつに1文字にしてみて、アルファベット26文字分の透明な箱が、格好いいケースの中に収まっている。その方が商品としてのイメージに近いものができると思う。」と言います。
確かに格好いいが、値段はぐんと高くなります。
「でも最初は高くても、普及するにつれて安くなっていくものって世の中にはたくさんあるでしょう?高くてもさっき言ったものが現実にできるのであれば、自分が真っ先に欲しい。買いますよ。」
市場に一人この商品を欲しいという需要がすでにあり、技術的にもクリアされた以上、古平さんの要望にこたえることが着地点であるのかもしれません。まだ迷いはありますが、そこにどう着地できるかやってみます。いくらかかるのか、まずは見積りをとります。
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