ここで、なぜ古平さんにデザインを依頼したのか、もう一度原点に帰ってみました。 古平さんは、「ごく普通のものだけれども、格好いいものをつくりたい」という姿勢と、普遍的なものを作り出す手法を持っています。だからこそ、他ではない、古平さんと一緒にやってみたいと思ったはず----------。 そしてスタッフが見つけてきた新しい材料を思い出しました。 それは、電気を流すと瞬間的に透明・不透明になるという、日本板硝子(株)の「ウム」調光ガラスです。もしかしたら、古平さんが見せてくれたポスターと本の延長のようなものかもしれない。早速、ONとOFFの状態を古平さんに説明しました。照明用に作られたものではないが、「透明」と「不透明」という切り替えがある。この「透明」と「不透明」を古平さんがデザインすることで、新しい展開が生まれるのではないか? 「やりましょう!出来ますよ!」 勿論、古平さんが下さった返事です。 早速、調光ガラスでの実験が始まりました。 まずは、アルファベットの「E」という一文字だけを光らす実験です。 「E」という文字に切り抜いたウムの底に白色のLEDを入れて、下から照らします。まずは「E」の文字が浮かび上がりました。そして調光ガラスに電流を流すスイッチをONにすると、「E」という文字が透明に切り替わりました。ONにすると透明になる点が照明とは逆なのですが、透明と不透明の違いがはっきりとしたことは、これまでの実験との大きな違いです! ウムは技術が完成されているというため、これまでの実験に比べ拡がりに限界がありますが、「小ロットに対応、加工が簡単、液晶やELに比べ安価、精度が上がる、開発コストがかからない」などの利点から考えると、商品として現実味がありそうです。早速、これまでの静電気実験と並行して、ウムを使った実験を進めることにしました。