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透明な箱に光る文字を浮かび上がらせるために、王子トービの守田さんの協力を得て、透明な電気磁石をつくる技術を発見しました。
次は文字を光らせる材料をどうするかです。 今回は試作品を作るための材料を探すヒントを求めて、東京大学の相澤龍彦先生を訪ねました。

相澤先生は、東京大学先端科学技術教育センターの教授で、材料加工や材料開発の研究をしていらっしゃいます。早速企画書をお見せし、安価で手に入る、透明な磁石に引き寄せられる小さな金属粉の情報が必要であること説明しました。
「イットリウムはどう?」
まず相澤先生が教えてくださったのは、水素を吸うと透明になり、熱をかけると黒くなる材料でした。大変興味をそそられる材料ですが、「黒」という点がひっかかります。私たちが考えている技術は、白い粉が集まって反射板となり、それが光ることで成立するからです。
これを実現できる材料はないかと再度相談すると、思いもよらない言葉が先生の口からとびだしました。
「すでに試しているかもしれませんが、コピー機のトナーはどうですか?トナーだったら安いし、オフィスにもあるでしょう」
いくらお金がないとはいえ、コピー機ぐらいは私たちのオフィスにもありました。
先生によると、トナーは、磁力に引き寄せられる性質のある細かい粉体の周りをプラスチックを含んだ塗料が覆っているものだそうです。コピーの原理は、ローラーが磁場を発生させてそこにトナーがくっつき、その後周りのプラスチックが熱で溶けて紙に定着するのです。これなら、安価で手に入るとても身近にある材料です。でもトナーの色もやっぱり黒だけど・・・?
「カラーコピーの黒くないトナーを使えばいいんですよ。」
相澤先生のこの言葉で、可能性が広がりました。カラーコピーの場合も原理は白黒コピーと同じ、ただし「CMYK(青赤黄黒)」を調合して様々な色をつくりだすため、残念ながら白い粉はないそうです。その中では一番イメージに近い黄色を使うことにしました。
さらに相澤先生によると、コピー機のトナーにはプラスチックの粉が付着していて、そのままでは使えないそうです。それならプラスチックを塗布する前の粉をメーカーから譲ってもらおうと、早速コピー機メーカーの研究者を紹介していただき、コンタクトを取り始めました。

デザイナー古平正義さんのアイディアを実現するプロジェクトを始めて約半年。お金がないなら足で情報をかせごうとかけずり回ったことで、やっとここまでたどりつくことができました。材料は出揃ったので、今度は試作品を作り皆さんにもお見せできそうです。古平さんのアイディアが形になる第1歩です。次回の報告を楽しみにしていて下さい。また、皆様からの情報ならびにご意見・ご協力も引き続き募集しています。
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