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グラフィックデザイナー古平正義さんが作りたい「透明なアクリルの箱に、浮かび上がる光る文字や記号」をカタチにしていくプロジェクト。第3回目は、前回わかった方法をもとに行った実験の結果をお伝えします。
先ずは「透明な液体に、磁気に反応する物質をいれ、磁石で形を作り出す」実験です。
この実験のポイントは紛体の重さと浮力の関係。満遍なく拡散させておいて、磁石で文字の形に磁気に反応する物質を集めれば、それが反射で光って見えるという仮説のもとの実験です。
透明な液体として選んだのはまずシリコンオイル、ヘアジェル、洗剤。
磁石に反応する物質としては砂鉄、直径1mmの鉄球を選びました。
それぞれを実験用のガラス瓶に入れ、混ぜ合わせ、拡散させます。ところが思いのほか砂鉄は重く、どれもあっという間に底へ沈んでしまいます。
これには困りました。固い液体を柔らかく薄めることは簡単でも、固くできる液体が見つけられていなかったのです。
そこで、向かった先は薬局です。ここなら化粧水や保湿クリームなど透明でどろどろした液体を見つけられそうだと考えたのです。「透明で、濃度の調整ができる液体はないか」とたずね、店内を薬剤師さんと探しました。しかしなかなか適当なものはみつかりません。「うーん・・・」空想スタッフは、頭を抱えてしまいました。

「スライム、はどうでしょう?」
薬剤師さんから意外な言葉が出てきました。スライムとは、理科で作った人もいるかもしれませんが、ホウ砂と洗濯糊、水を混ぜて作るドロドロのあれです(写真参照)。
これはなかなかズバリなものかもしれません。混合比率で粘度を変えられて、水で薄めることも可能。そのうえ無色透明です。
スライムの作り方を教わったスタッフは、早速実験に取り掛かりました。
スライムの粘度を変えて砂鉄を混ぜ、市販の磁石を当てて砂鉄の集まり方を観察します。当初、砂鉄が沈まずにその場に留まる粘度が最適と考えていましたが、これだと磁石への反応はおろか、砂鉄が拡散すらしないほどの粘度になってしまいました。
逆に柔らかいものは『スノードーム』のように沈殿してしまい、手で振って拡散しなければなりません。しかし程よい粘度のものなら沈殿するまでに時間がかかるので磁石で形を作ることは可能だと確かめることができました。
次に、「透明な電磁石」です。
まずは平面の電磁石を探すことにしました。薄い通電する透明フィルム上、もしくは通電する透明インクで電磁石が作れれば透明度が高いものが作れると考えたからです。
電磁石である理由はON/OFFができること。これによって文字を表示/非表示できると考えました。
早速該当する素材を探しましたが、またもや見つけられません。岡安さんから理論上は可能だろうということを聞いていたので、確かめるべく鉄線を渦巻状に巻き、電気を通す実験をはじめました。しかし実験はことごとく失敗。磁気は発生しません。
困り果てた末、専門家にヒントを得ようと、空想スタッフのご主人で、携帯電話などの電気回路を設計している技術者の方に解決策を尋ねてみました。
そして理論上は可能であることに加え、「鉄線をエナメル線に変え、巻き方を変更してみる」という構造的なアドバイスを頂き再挑戦した結果、平面電磁石を作ることに成功しました。(正確には平面ではありませんが)これで少し前進です。
完成までにやらなければいけないことは、透明な通電する素材を探すことや、実際に透明な素材の中にこれらを作ることなどまだたくさんあります。
しかし今回の実験をふまえ、多くの技術や知識を持っている技術者の方や、技術や素材を持つメーカーを尋ね、商品化の可能性を更に確実なものとしていきたいと思います。
この続きは次号で結果報告予定です。解決できそうな方法がある方、次回は私のこんなものを商品化したいという『作りたいもの提案』など、みなさまからのご意見・応募もお待ちしています。
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