青柳明彦さんのオフィス「アンアーキクリエイティブ一級建築士事務所」は、恵比寿駅から徒歩3分ほど。
飲食店が密集する一角にあるビルで、何とも誘惑の多い場所です。
「僕の事務所に打ち合わせにいらっしゃる方は、たいてい夕方遅めにいらして、帰りに一杯やるのを楽しみにしているんですよ」と青柳さん。
私たちは不覚にも、午後の早い時間に行ってしまいました。
青柳さんは公共建築から住宅まで、様々な建築を手がけてらっしゃいます。
プロダクトデザイナーではなく建築技術者、しかも経験豊富な青柳さんが提案してくれていることに、
スタッフ一同とても嬉しく感じています。
「空想生活を知るきっかけは、COMPACT IHです。
住宅設計のクライアントと一緒に、卓上で使えるデザインのいいIHクッキングヒーターを探していて、
スタッフが空想生活のWEBを知っていたんですね。
クライアントもとても気に入って、それから僕も空想生活をチェックするようになりました」。
建築設計の現場では、CGが欠かせないプレゼンテーションツールになっています。
臨場感あふれるCGを作成する時には、空間そのものの再現性はもちろん、
家具や家電製品といった細かな部分のリアリティも求められる。
その経験が、空想生活への提案につながったそうです。
「設計のスパンは、往々にして長い。
住宅でも1年ほど、ビルなら2年から3年、橋梁など土木の世界に関わる時には10年単位になりますから。
空想生活は、製品化までの道のりはいろいろあるとしても、反響がダイレクトにかえってくるのが魅力です。
それに、ユーザーの『今』の声が分かるのがいい。
自分たちの提案は市場にフィットしているのかが検証出来ます」。
青柳さんが事務所のメンバーとともに現在提案しているのは、
ちょっとした昼寝などに使える抱き枕「Chotto ne」と、
キャスター付きのビジネスバッグ「ビジネスキャリーバッグ」の2点。
どちらの提案ページも、動画によってセールスポイントが明解に見えて、ユーザーに分かりやすい構成です。
「CGを活かしつつ、空想生活全体で見た時に、
自分たちの提案がどう見えると効果的かを考えて提案したいと思っているんです。
事務所のスタッフと一緒に、『トップページを目指そう!』なんて言いながら、作っているんですよ(笑)。
ユーザーがどんなものを求めているのか、そして自分たちはどんな提案が出来るのかを考えるのは、大事なプロセスですよね。
作り手の思い込みで突き進むことは、やはり避けたいですから。建築の場合、
クライアントは建築のプロではありません。
そのクライアントの求めるものをいかに形にしていくかが僕たちの腕の見せ所。
その時に思い込みだけで進めず、クライアント(ユーザー)ありきで進めることが大事なのです。
クライアントや現場に関わる多くの人たちと共に作り上げていくものを、
建築家やデザイナーの『作品』と呼ぶのって、違和感があると思いませんか?」。
とても説得力のある話で、「そうですよねー!」と、思わず身を乗り出してしまいました。
「イタリアは21世紀の今でも、家内制手工業的にデザインとものづくりの距離が近い現場が数多くあります。
それはお互いにとって大きなメリットがある。
空想生活が、日本のものづくりの仕組みを再構築して、
デザインとものづくりの距離を縮めてくれることに期待しています。
小さな町工場のレベルから、たくさんの工場を動かす大企業までを巻き込んで出来たら最高ですよね。
空想くるまでなさっていた日産の志賀COOにプレゼンするという試みなんて大歓迎。
どんどん積極的に取り組んで下さい!」
青柳さんからたくさんのエネルギーをもらったインタビューでした。
次回オフィスに伺う時はぜひ夕方に、そして一緒に恵比寿の街に繰り出したいです!
「Chotto ne」は、事務所のメンバー、眞智香苗さんの「お昼寝体験」から生まれたアイデア。
関連リンク: 株式会社アンアーキクリエイティブ一級建築士事務所