空想マガジン
デザインの舞台裏 第13回
Speaker Inc. 西山眞司さん

西山眞司さん率いるSpeaker Inc. のオフィスは、かつての江戸の中心地であり、いまふたたび活況を呈している東京日本橋にあります。去年の10月に引っ越してきたばかりだそうですが、古いビルの一室を自らコンバージョンした真っ白な空間は、何とも快適そうです。

西山眞司さん

ものづくりの現実を直視しながら

西山さんが関わる仕事は実に多岐にわたっています。建築やインテリアデザインに始まり、プロダクトデザイン、グラフィック、印刷、マーケットリサーチなど、本当に幅広い。「自ら窓口になることを、強制的に課している面もあります」とはご本人の弁。大きなプロジェクトから町工場と直接やりとりするような小さなものまで、深く広く、フットワークはあくまで軽く。日本のものづくりに積極的に関わっているからこそ、現実的な課題に直面することも多いとか。
そんな西山さんは、空想生活をずっと見続けてきてくれた一人でもあります。 「デザイナーとユーザーとメーカーをつなげて、本当に欲しいものを手に入れようという姿勢には、共感を覚えます。僕もデザイナーとして、空想生活で複数の提案をしています(西山さんの提案はこちらから)。だからこそ、サイトがもっと活性化するといい。僕が強く願うのは、ユーザーの立場で関わる人がもっと増えること。商品化を目指しているのだから、ユーザーの絶対数が増えていくように展開するといい。多くの人に『欲しい』と思ってもらえる提案をしているデザイナーにとって、ユーザーが増えればそれだけコメントも集まり、得票数の獲得にもつながりますから」。

きっかけひとつで、動き始めることがある

「長く、安定的なものづくりを続けるのは大変です。僕自身も地場産業に関わる仕事をしていますが、目指すのは爆発的なヒット商品ではなく、技術とその土地の特性を活かしたロングセラー商品。だからメディアにどんどん露出することばかりがいいとは思わないけれども、デザイナーがサイト上で活発に行っている提案が、ほかのメディアに載る機会は増やしていって欲しいなぁ(笑)。それがさらなるユーザーの獲得につながるかも知れないし、メーカーの目にとまるきっかけになる可能性にもなりますよね」。
まるで空想生活のスタッフかのように、いえもしかしたらそれ以上に、活性化のアイデアを次々に披露してくれます。
「提案の試作品を、実際に見られる場所をつくったり出来たらいいのに! 展覧会を頻繁に開くことは難しいけれども、たとえば空想生活のオフィスの一角をショールームのように活用できたりしないかな。コンピュータで見るCGの提案と、実際に作ってみた試作品とでは、ユーザーへの伝わり方も変わります。SNSのサイトと連動したり、Webだってもっともっと活用できるはず。そうやって実作を増やしていくことが、日本の消費者の意識を高めていくことにもつながるのではないでしょうか」。
モチベーションを高めることも大事、同時に実作が増えていくことも大事だと、西山さんは話してくれました。「きっかけひとつで、ドドドッと動き始めて、変化が起きることって多い」とも。みなさんにとって空想生活がそのきっかけになるように、私たちもさらに進化をしていかねばと感じた、2008年最初のデザイナーインタビューでした。