空想マガジン
デザインの舞台裏 第7回 Part 1 Part 2 )
テラダデザイン一級建築士事務所 寺田尚樹さん
寺田尚樹さん

前回に引き続き、寺田尚樹さんに話を聞きます。 「デザイン関連のコンペは、数多くあります。商品化を前提としたものも多い。それも価値ある機会だと思いますが、審査員数はあまり多くなく、その場の雰囲気や審査する方の主観によって偏りが生じることも否めません。それとコンペは1回きりで終わってしまう。でもデザインを提案する側にしてみたら、チャンスは多ければ多いほどいい。幅広く、いろんな人に見てもらって、コメントをもらいながら議論をして、デザインに反映させることって大事だと思います。そういった点でも、空想生活は意義ある活動をしていますよね。よりいいもの、より多くの人が求めるものを、さまざまな人と一緒に作り上げていく。コンペの審査員はプロであることが多いですが、空想生活では一般の消費者が『商品化するか、否か』を判断する。既存のコンペにはない魅力です」。

寺田さんの言う通り、大勢の人が垣根を超えて活発にコメントできるのは、空想生活の特色。ユーザーがデザイナーになる可能性もあるし、もちろんデザイナーがユーザーになることもある。メーカーの人だって、ふだんの生活においてはユーザーです。異なる立場の人たちが、さまざまな視点からデザインを見る楽しみを評価してくれた寺田さん、ありがとうございます!

そんな寺田さんがデザインした家具の最新作が、写真のスツール。去年9月のロンドンでの100% DESIGNに試作品を出展したところ、帰国してすぐにドイツのメーカーから商品化を希望するメールが届いたそうです。ここからが寺田さんのユニークなところで、試作品と共にすぐにドイツまで飛んでいったのです!

「そこからは早かったですよ。10月には金型をつくって、1月には商品化に向けた試作品が完成しました。そして4月のミラノサローネ出展でミラノに滞在している時に、完成した記念すべき一脚を届けてくれたんです」。なんて素晴らしいスピード! 7月にドイツのフランクフルトで開かれる国際家具見本市にも出展が決定しているそうです。

椅子がいっぱいある空間を作りたかったという寺田さんの言葉通り、会場にはこのスツールがたくさん並ぶのでは? スタッキングできて、座るとユラユラ揺れて、カラーバリエーションも豊富で、見ているだけでワクワクしてくるこのスツールの名前は「HOKKA-IDO」。日本ブームのドイツらしいネーミングであると同時に、HOKKAはドイツ語で「座る」という意味。みんなでこのスツールにHOKKAしましょう!?

関連リンク: TERADA DESIGN

サンプルの写真
こちらがその「HOKKA-IDO」。
ユラユラと身を任せていると、いいアイデアが生まれそうです。