より多くの人に、空想生活を活用することのメリットを感じていただきたい。それがこの連載を始めたきっかけでした。僕が一個人として空想生活に関わり、新規提案をしたり、既存の提案をカスタマイズすること7回。読者からコメントを寄せていただいたり、サイトの課題を実感したり、僕にとって意義ある時間と経験になっています。
もうひとつ、僕にとって意義ある経験となっているのが、「僕らの空想日記展」と、この展覧会を軸に展開している商品開発プロジェクトです。様々な分野で活躍している方と一緒に、僕も「空想人」の一人となってプロダクトの提案をしています(ぜひ展覧会にも足をお運び下さい!)。そのひとつ、「100V IH WAGON」は、エレファントデザインのスタッフである小野さんと、元エレファントデザインのスタッフで良品計画に転職し、現在はデザイナーである桑野さん、そして僕の3人でプロジェクトを進めています。僕一人でなく、チーム編成で進めているのが連載とは異なるところで、そして大きな利点でもある。同様のことを、展覧会でも感じています。展覧会に参加してくれている人は、デザイナー、プロデューサー、ショップオーナー、バイヤーといった面々で、彼らはアイデアを商品にすることを常日頃行っている。だから何が要点かを即時に感じ取るし、話も早く進みます。商品にする時にはサポートしてくれる人の力が大きいこともよく分かっている。
「100V IH WAGON」では、小野さんがPRを担当し、桑野さんがデザインを、そして僕はプロデューサー的な立場として動いています。個人で出来ることの限界を、チームならば超えることが出来ることを、実感しています。アイデアや舵取りは僕が主導し、具体的な使い勝手や仕様を考慮したデザインを桑野さんが生みだし、様々な関係者との連携ややりとりを小野さんが行ってくれる。IHクッキングヒーター内蔵型のワゴンは、いまモックアップ完成までたどり着きました。もちろん、商品化するにはメーカーが不可欠です。実は高校時代の友人がキッチンメーカーに勤務しているので、彼を巻き込もうかと思案中。正攻法でメーカーに打診することももちろん選択肢のひとつですが、「知り合い」をキーワードにチームをつくるのもいいのでは、と思っているのです。
ものをつくること、それを音楽にたとえてみると、バンドのようなものと言えはしないでしょうか。気の合う、共通した趣味を持つ仲間が集まって、いい音を奏でるーー。それはとてもいいフォーメーションで、いいものが出来る可能性がある。商品化した際の、メンバーのロイヤリティーの配分も事前に決めておくことも、きちんと視野に入れています。 この考え方で、連載も発展していこうと思っています。発表の場は空想マガジンから別の場所に移るかも知れませんが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。空想生活がどんどん使いやすく、どんどん楽しいものになるために、僕も出来ることは何でもトライしていきます。