最近、「原型」についてよく考えます。
空想生活は、同時代に生きる、同じ志を持ったたくさんの仲間によって、
「本当に欲しいもの」「あったらいいなと思うもの」を形にしている、
これはいわば横軸のつながりです。
その、本当に欲しいものやあったらいいなというものは、
今よりもっと便利だったり、自分にフィットするものということですよね。
つまりは過去から現在までをふまえて、不満や願望が生まれて、それが未来を創り出す
。こちらは縦軸のつながりです。
先人の知恵や大いなる発見によって、原型は生まれました。
それを活かした上で、不備をなくし、新たな発見を加えていくことを、
僕たちは空想生活でしている。ゼロから始めているわけではありません。
リファレンス(参照)することはとても大事だと思っていて、
この行為は、アカデミーの世界では必要不可欠です。
新たに論文を発表するには、同じ分野の過去の論文を読み解き、
理解することが大前提。そこから何を得たのか、
そして加わっているあたらしい見解は何なのか
、きちんと分かるようになっていなければいけません。
これはプロダクトデザインにもまったく当てはまることだと思うのです。
たとえば歯ブラシをデザインするとして、形状や機能に対して新しい視点を持つことと同時に、
「ブラシの硬さと歯茎や歯の関係」や「ブラシの大きさと口内形状の関係」
といったベーシックな知識を持つことがデザイナーとしては絶対に必要だと思う。
ルールを伝えることを行わなければ、継続出来なくなってしまうからです。
この一連の行為をへたものが、プロダクトの世界では「リデザイン」
と呼ばれているのではないでしょうか。
そしてこの行為を経ていないものが、コピーと呼ばれるのでしょう。
リファレンスを一人で行うのは大変です。
頭がパンクしちゃいます。僕たち空想生活の横のつながりは、
この時に大きな力を発揮します。みんなにとっての原型を共有して、
リファレンスも手分けして行いながら、先に進んでいくことが出来るのですから。
あと、自分なりの原型を持っていることも、強みになると思います。
ちなみに僕にとってはLEGOがそう。
実はオフィスのレイアウトは、LEGOのモジュールにならっています。
LEGOを元に、家具をデザインしたり、家電や自動車、そして家だってデザインできるのではないかと思います。
今回紹介する『デザインの原形』は、
深澤直人さん、原研哉さん、佐藤卓さんにとっての原型が一冊におさまっています。
いわゆる名作と呼ばれるものから、メーカーのロングセラー商品まで、様々なものがラインナップされている。
空想生活バージョンをみんなで考えるのも、有意義な時間になりそうです。
著者のお一人である原研哉さんと最近よくお会いします。 社会のこと、組織のこと、いろいろなことを話します。原型って、 実社会においてもとても大事だと、原さんと話していると強く思います。