空想マガジン
ニシヤマ書店 第35回 XS Green
今回紹介する「XS Green」という本は、郊外の農地や森林と共生する「住宅のような場所」の選りすぐりを紹介しています。小屋からツリーハウスのようなものまで、人が過ごすための場所、つまりは住まいにつながる場所が多数載っていて、そこにはさまざまなアイデアがちりばめられています。実例として見ているだけでも充分刺激的なのですが、僕にとっては、掲載されている建築家のコンタクトリストが載っているのが、ありがたい。前回紹介した「XS Big Ideas, Small Buildings」にも、建築家情報が掲載されていました。今後、新しい住まい方のプロジェクトを本格的に始動させるにあたって、「未来の住宅を実現するための住所録」をつくりたいと思っている僕には、こういう情報がとても有効なのです。

僕はこの夏、中国・大連で開催された「サマーダボス」に参加してきました。正式名称は「Inaugural Annual Meeting of the New Champions 2007」と言い、様々なジャンルで今後の世界を牽引するであろうニューリーダーが、中国の大連に集結したのです。毎年1月にスイスで開催されるダボス会議(世界経済フォーラム)のヤングバージョンといえばわかりやすいかも知れません。政界、財界のみならず、グローバルな社会の発展に必要な人たちが一堂に会したこの時間は、刺激的かつ貴重な機会となりました。 もちろん初対面で、職業も人種も異なる参加者ばかりですが、僕の頭は滞在中ずっとフル回転で、いろんなアイデアが次から次へと湧いたのです。 たとえば貧困層を対象にした低金利の無担保融資を行っている、バングラディシュのグラミン銀行の創設者のように、僕たち空想生活と同じ「あったらいいな」を別の分野で実現させている人たちも多く参加していました。今後の生活がどうなっていくかという話題も自ずと白熱し、理解が深まったのです。僕が目指している新しい住まい方は、グローバルに、でも地域ごとの特色や事情を反映させたものになるはずで、サマーダボスで出会えた仲間は、プロジェクトを実現させるときに必ず力になってくれる心強い存在です。そしていま僕の手元には、会議に参加したメンバーの名簿がある。これも貴重な財産です。

小さな発明のようなことでも、発明と呼ぶに至らない工夫のようなことでもいい。個人では出来ないことでも、何かを実践している人たちが集まり、つながれば、実現可能になっていくことがあるはずだと思っている。準備を整え次第、空想生活の読者のみなさんの回りにいるに違いない、「未来の住まい方に向けて何かを実践している人、研究を進めている人」とも交流を深め、住所録を充実出来ればと思っています。個人も法人も大歓迎、建築に直接関わっている方もいらっしゃるでしょうし、別の分野からのアプローチをなさっているかも知れない。この連載をいま読んでくれているあなた自身かも知れません。みなさんとコンタクトを取れるように、準備を進めます。

農地や森林には家らしい家がない。発展途上にあるからこそ「住宅に住みたい」という要望が高まるということが、この本からわかります。

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