空想マガジン
ニシヤマ書店 第34回 XS Big Ideas, Small Buildings
この連載では折に触れて、「新しい暮らし方」にあった「新しい居住形式」を僕が探っていることを伝えています。最近では僕の探求心をくすぐる情報を寄せてくれる友人も増えて、嬉しい限りです。

このXS Big Ideas, Small Buildingsという本も、オランダ在住の友人が教えてくれた一冊。世界各国の建築家が手がけた狭小住宅をはじめ、ごくごく小さな公共建築、プロトタイプ、素材の研究などが掲載されています。この本が大きな説得力を持っているのは、掲載されているものの多くがすでに出来上がっている実例であること。僕にとっては住宅実例が載っているのが何より嬉しく、そこに住んでいる人たちの顔を思い浮かべながらページを繰りました。どれくらい狭小住宅かというと、一坪つまり2畳足らずの本当に極狭の空間から6畳間ぐらいまで! そう、ワンボックスカーぐらいです。この狭さを活かして様々な工夫が展開されている。トイレのないシェルターのような例からフルスペックの設備が付随しているものまで載っていて、住まうために何が必要か、それは人それぞれなのだということも改めて実感しました。

そして小さいがゆえに、このような住宅は、個人レベルの財力や体力で実現可能なことが見えてくるのも大きな魅力。ここでも、ユーザーイノベーションはその大きな手がかりとなると思います。つまり、個人の手と足をフルに使えば、大きな資本や機械に頼らずとも居住空間を手に入れる可能性はあるのです。身近にある、素材を建材に仕立てたりしているのですが、これは小規模ゆえに実現できていると言えるでしょう。その点が、以前紹介したHome-Made: CONTEMPORARY RUSSIAN FOLK ARTIFACTS(住宅ではありませんが)やSome Turtles Have Nice Shellsに似ているかも知れません。もちろん新素材も狭小空間にまず使ってみて、今後に活かそうとしている。アルプスの雪上生活や南米アマゾンのツリーハウスなどかなり特殊な例も紹介されているのですが、過酷な状況のなかいかに自然を壊さずに共生するかを探っているのも示唆に富んでいます。 なかでも僕が興味を覚えたのが、拡大できる住宅。マッチ箱のように内部空間を引き出すと、ほぼ倍のスペースが確保できるのです。小さくも大きくも住めるという可動性住宅の可能性が、僕の前に迫ってきました。

拡大できる住宅をみなさんにご覧いただこうと建築家にコンタクトをとっているのですが、連絡がつかず、残念ながらご披露できません。機会があったら、本書を手に取ってみて下さい。
この本をはじめ、友人たちが僕の思い描くプロジェクトに参考になる本を紹介してくれる機会が増えています。読者のみなさんも、未来の生活、未来の居住空間が見えてくる本や情報があったらぜひ書名などを、webmaster@cuusoo.comまで教えて下さい。お待ちしています。

※こちらの作品はアマゾンアフィリエイトに登録しております。