空想マガジン
ニシヤマ書店 第22回 成長創出革命
成長創出革命
僕がこの連載でみなさんに伝えていることは、現代の常識からはずれていることも多々あると思います。しかしそれこそが僕の挑戦で、社会が「当たり前」と思っていることを崩して、切り開いていきたい。当たり前だから正しいということではないし、当たり前になっているから気づかないこともたくさんあるはずなのです。
学校を出て社会に出る、つまり働き始めるというレールに、大半の人が疑うことなくのります。そして、働く。読者のみなさんは、やりがいのある仕事に就いている人が多いでしょうし、自分の仕事に大きな責任を感じていると思います。もちろんそれは大事なこと。ではみなさんは、何のために働いているのかと聞かれたら、どう答えますか? 一番現実的な答は、「日々の生活費のため」でしょう。そして生活費のかなりのボリュームを、住宅が占めている。賃貸であれば家賃の支払い、持ち家であってもローンの返済が続いている。それが当たり前になっている。ハレとケで言えば、ケのために働き続ける毎日です。旅行に行ったり、スポーツしたり、もしくはただひたすら寝てのんびりしたり……そんなハレの時間は皆無ではないけれども、でもやっぱり少なすぎると僕は思う。
なぜ家を買うのかという質問をされたら、どんな答があるだろう。家族を守るため、将来に備えて、安心のため、自分の好きなインテリアで部屋をコーディネートしたいなどなど。では次に聞きます、家を買うことで、生活は楽になりますか? イエスという答は返ってこない気がする。家は稼ぎを生まない。家は大事な資産だというけれど、自分が住んでいては利益を生み出すことは出来ないどころか、かなりの維持費がかかるのが現状です。そこに疑問を持って、もっともっと安い値段で、所有しない=消費財として家を捉えるような視点だって成立するのではないだろうか、というのが「300万円住宅」の考えには含まれています。だって生活を楽しむこと、暮らすことそのものは本来とても贅沢なことのはずなのに、今は家自体が贅沢になってしまっている。その「当たり前」を、変えたいのです。
僕は以前、マッキンゼーというコンサルタント会社で働いていました。そこでは多くの人のお世話になりました。元東京支社長の横山禎徳さんもそのお一人で、いまも多くのアドバイスをくれます。彼は大学で建築を学び、卒業後は設計事務所勤務を経てマッキンゼーに入社しました。横山さんは、現状の住宅供給システムに不満を持っているといいます。住宅単体で見ずに、社会システムそのものを変えていくべきだと提案なさっていて、僕もその変化を促す人間になるべきだと背中を押してくれている。だから自信を持って、前進したいと思っています。

「成長創出革命」は、横山さんの1994年の著書です。「将来の発展を考えるためのきっかけになる視点を提供したい」と序章に書いてあるように、彼は常に未来を見ている。未来を良くするために現在すべき事を考えている。その姿勢に、僕は大きな影響を受けています。
「成長創出革命」 横山偵徳 (著)(ダイヤモンド社) [絶版]