
左より、堀江さん、二階堂さん、遠山さん
カーライフをみなさんと一緒に考えるコミュニティ「空想くるま」は、
先日無事1stステージを終えることが出来ました。
「どんなくるまがこれから必要か」「どんなくるまがあったら快適か」
──くるまについて考えることは、自分たちの生活を考えることにつながっていて、
とても大事なことなんだって、改めて気がつくコミュニティでした。
ユーザーのみなさんもたくさんのアイデアを寄せて下さり、
活発なやりとりが繰り広げられました。
そのやりとりの中心にいてくれたのが、
日産自動車 企画室 イノベーションチームの堀江浩史さん、二階堂洋さん、遠山栄一さんのお三方です。
開発(堀江さん)、調査・企画(二階堂さん)、商品企画(遠山さん)で活躍なさる3人が、
それぞれの立場から的を射たコメントを下さったことで、
コミュニティは俄然現実味を増し、盛り上がることが出来ました。
今回はそのお三方に集まっていただき、くるまという枠を超えた、
「みなさんの30年後」を空想してもらいました。
いつもと様子を変えて、座談会形式でお送りします。
世界中の言葉が分かる翻訳機」(二階堂さん)
「相手のココロとダイレクトにコミュニケーションが出来る装置」(遠山さん)
「3日後とか一週間前とか、ほんの少しの時間移動して自分が俯瞰できるタイムマシーン」(堀江さん)
――ドラえもんに出てくるようなアイテムだったら、どんなモノが欲しいですか?
というこちらの質問に、三者三様の返答が。
では30年後はどんな生活をなさっていますか?と投げかけたところ、
「30年後か……。想像がつくような、つかないような」
という遠山さんに、堀江さんも
「うん、30年後に何をしているか、ハッキリとは思い描けないな……。
やりたいことはたくさんあるんですよ。
いま、すべての時間のなかで仕事に費やしているのが9割ぐらい。
30年後と言わず、もっと近い未来においては、100%仕事以外に使っていたいです」
「それ、僕も分かる。世の中とはつながっていきたい、
それは会社を通してではなく、自分自身がしっかりつながっていたいということだよね」(遠山さん)
――二階堂さんも続けます。
「大きく価値観が変わる、その流れの真ん中に僕たちは身を置いている世代です。
物質的なものから充足感を得ていたこれまでから、精神的な充足感を目指す方向にありますよね。
その変化を、自分のこととして実感しているし、
趣味や世代を超えた『和』とでもいうようなつながりがより求められていくと思う。
『空想くるま』も、そういうコミュニティだと思います」
遠山「二階堂さんの言うとおり、
これまでの30年間とこれからの30年間は、大きく異なるでしょうね。
日本だけでなく、グローバルにとらえたときにも同様で、
生まれた時からグーグルがある世代なんですから。
情報がたくさんあって、その情報はきちんと整理されるから、
自分の関心のあるコミュニティの中だけで平穏に生きていくことができるようになるかも知れない。
でもそれって本当にハッピーなのかな。
まとまっていくことを破壊するような、想像力や創造力が求められるようになるかも。」
堀江「僕自身の価値観は、40年ぐらいの時間のなかで形成されてきたもの。
だから情報や技術がどれだけ進んだとしても大きく変わるとは思わないけれど、
『自分が正しいと思うことをしたい』という気持は、どんどん大きくなっていく気がします」
二階堂「僕は先のことを考えるのは大好きですし、
技術や医学が発達することの恩恵も受けていると知りつつ、
でも、人間としての幸せって何だろうと考えた時、
そのこと自体はたとえば江戸時代から変わっていないんじゃないかと思うんです。
進歩して便利になっている、だけどそれが豊かさかと言うとそうじゃない。
収入が3倍になったら、多いのは嬉しいけど(笑)、3倍幸せかって言ったら違うから。
先進国に暮らしているがゆえに、このような考え方になるとも思うんです。
BRICSに代表されるような、国が成長の過程にある時には、
国民にも『国を変える』『国を動かす』という強い信念がある。
ハッキリした目標があると言えばいいかな。ゆるぎない目標に向かってひたむきに努力できるって幸福ですよね。
でも僕たちはたぶん、その段階を過ぎてしまっている。
その先に生まれる多様な価値観のなかで、何が幸せをもたらすのかを、僕たちはしっかり考えないといけない」
堀江
「技術が進歩し続けるなかで、我々ヒト以上に発達してしまった感がある。
結果、『よりよいもの』を作ることを誰もが求めていると思い込んでしまっているのでは、
という疑問が生じます。
携帯電話ひとつとっても、使いもしないのに新しい機能が付いたものを買おうとしている自分がいる。
それが自分の価値観の一部を形成しているかもしれないでしょう?
進歩だけが大切なわけではなくて、別の価値観でものごとを見ることの大事さを、
携帯電話で実感しちゃった(笑)」
二階堂
「そうだよね。車のことを考えた時にも、現代の都市部においては車を所有すること自体に限界がある。
そのことを理解せずに、車に乗ってもらうことばかり追い続けるのって意味がない。
それってエスキモーに氷を売るようなことですよね(笑)。
テクノロジーは、それ自体が進歩するためにあるわけではなく、みんなが幸福になるためにあるものだと思うから」
遠山
「新しいことが大事なわけではないんだよね。
幸せの質自体は、ずっと変わっていないんだし、これからも変わらないと思います。
マクロでどんな変化が起きようとも、『自分がこうありたい』というスタイルは変わらないだろうな。
そのことが、二人と話していてよく分かりました」
――30年後というテーマをきっかけに、暮らしについて、日本人について、
そして最終的には幸せについて、真面目に話して下さっていて、
取材チームは改めてお三方の真面目さに心を打たれました。
ありがとうございます。
そしてこれからも一緒に、くるまのこれからについて考えさせて下さいね!

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