空想マガジン
30年後をCUUSOOする 第8回
中小企業庁経営支援部 課長補佐 福本拓也さん

「疲れる」と使わない。
みんなの生活にすーっと入り込めるような
仕組みや技術を作ることが大事

福本拓也さん

みなさんは、JAPAN ブランドをご存じですか。それは、「新しい伝統の創造」を目指す、中小企業庁、日本商工会議所、全国商工会連合会による取り組みです。日本の各地で育まれているものづくりの伝統や技術、技能を、様々な形で発信し、地域の中小企業が行っているものづくりを新たな視点でとらえていくもの。
そのJAPANブランドと、空想生活とのコラボレーションが始まります。一緒に活動することで、たくさんのユーザーとつながり、日本のみならず世界に向けて日本のものづくりの実力を伝え、可能性を拡げていけるようなプロジェクトにしていきたいと意気込んでいます。みなさんもどんどん声を寄せて下さいね。
今回ご登場いただくのは、JAPANブランドを担当なさっている、中小企業庁経営支援部の福本拓也さんです。地場産業を支えている中小企業経営者との交流も多い福本さんが見つめる「これから」をお聞きします。

みんな中小企業人

「日本のものづくりを取り巻く環境は、この10年ほどで大きく変わったと言われています。たとえばスーパーマーケットに外国産の食材がずらりと並ぶようになったこと、インターネットによって流通の構造が変わったこと、高齢化社会が加速していること、人口の減少が現実のものになり始めていること……。それらが大きなうねりとなって、経済や日々の暮らしを変えている。その大半が、私たち日本人にとって初めて直面することです。大企業の人はダイナミックな流れとして実感していることでしょうし、個人レベルで体験して、危機感を覚えている人も多いでしょう。
中小企業というと、個人商店のような響きを覚えるかも知れませんが、いくつかの例外を除いて、従業員数が300人以下、資本金が3億円以下の会社や個人は中小企業なんです。日本の企業の99.7%はこの範疇ですから、日本人の大半は中小企業に属している」

――なんだか意外な気がしますが、福本さんの話で、日本に中小企業がいかに多いかが見えてきました。ニュースでは大企業の動向に注目が集まるけれど、中小企業がどう変化していくか、それこそが私たちのこれからに大きく関わっていくということですね。

「ええ。初めて直面することに対して、政府は、みんながこの新しい波に乗り遅れないようにケアすると同時に、新しい流通の仕組みや商品開発の仕組みを作り出していくきっかけを作っていかないといけない。JAPANブランドは、その仕組み作りを行う取り組みでもあります」

普通に思えることが大事

「新しいことを始めるのって、大変ですよね。同様に、新しいものに触れるのも、大変です。たとえば電話や自転車が生まれて1世紀以上の時間が経った今では、何の違和感も抱かずに私たちの生活に入り込んでいますが、発明された当時はそれはみんなおっかなびっくり扱っていたと思うんです。現代の私たちにとっては、インターネットがまさにそれ。10数年前に突然あらわれて、今や仕事にも生活に欠かせないという方は多いでしょうけれども、やっぱりまだ慣れていないという人もいる。慣れないと疲れちゃうし、疲れちゃうから使わないということになる。私は『疲れない』ことが大事だと思うんです。ですから、みんなの生活にすーっと入り込めるような仕組みや技術を作ることが大事。一所懸命商売している人たちが、これまで以上に自分が得意なことに時間と力をかけながら、仕事には大きな変革をもたらすような環境作りをしないといけない。仕事以外の時間は、これまで通り使える方が、楽しいですよね(笑)」

――おっしゃる通りだと思います。我ら中小企業人が「普通に取り組める大きな変革」を、福本さんは様々な人と作り出そうとしてくれている。それが現実になるのは、30年よりも近い未来かも知れない。早い実現に向けて、空想生活も共に取り組みたいと思います。ご期待ください。