空想マガジン
30年後をCUUSOOする 第3回 
オイシックス(株) 代表取締役社長 高島宏平さん

30年後。ずっと何かにチャレンジしていたいし、
ずっと何かに夢中になっている自分でいたい。
特にしたいのは画期的「傘」の発明かな。

高島宏平さん

「夢中になっている時間をいつまで持続できるか、これが僕の課題です」というのは、オイシックス(株)代表取締役社長の高島宏平さんです。オイシックスは、健康に良く美味しいものを、消費者の視点に立ってインターネット通信販売で提供する会社。2000年の創業以来、高島さんの「夢中」は本業である食品ビジネス。 「食の安全が問われる昨今ですけれども、僕は『食品の安全性』って不思議な言葉だと思うんです。それは当然のことであって、謳うべき付加価値はおいしさであり、食べることの楽しさではないでしょうか。それを提供するために出来ることを全力で行う、それが僕のすべきこと」

多様な食生活を支える素材

――30年後の「食」は、どのようなものになっているでしょうか。
「安全面は今より良くなっているでしょう。今よりさらにグローバル化は進み、国産は安全で海外のものは不安という垣根はなくなっていくはず。現代の我々日本人は、様々な素材が手に入る。たとえばパプリカやエリンギのような素材が普通に食卓に並びますよね。でもそうなったのは最近のことで、その多様性は今後さらに高まるでしょう。ですが調理法に関しては、和食回帰の方向に進むのではないのかと思います」
――現在オイシックスはインターネットによる通信販売をしていますが、店舗販売も将来はあるのでしょうか?
「視野には入れています。30年後と言わず、もっと近い将来に実現するでしょう。家庭の冷蔵庫と直結しているような感覚で、『素材を買う』『調理する』『健康を保つ』といったことをトータルで情報提供できるような場所をつくりたい。 安心や安全、トレーサビリティといった面は軽々と(笑)クリアした上で、美味しい食べ物を楽しんでもらいたいです」

食べ物から傘へ!?

――高島さんは30年後も食に夢中なのでしょうか、と聞いたところ、まったく予期せぬ返答がかえってきました。
「30年後は64歳か……。ずーっと何かにチャレンジしていたいという気持は変わらないでしょうね。64歳ってちょっと中途半端なので、ここは一気に70歳まで飛び越えてもいいですか? その時にやりたいと思っていることがあるんです。それは発明」
――ええっ、発明?
「自分がするのではなく、発明を支援したい。で、具体的に発明してもらいたいアイテムがあるんです」
――それは一体……?
「傘。だって傘って全然進化していないと思いませんか? 僕自身、傘を使うスキルがすごく低くって、傘を差していても気がつくとびしょ濡れになっている(笑)。傘が今の形態である必要はないかも知れないし、雨を防ぐ新しい道具というものを、ぜひ作りたいんですよ」
――高島さん、どうやら本気のようです。
「僕はこれまでの人生、常に夢中になることがありました。男子校で過ごした学生時代は、学園祭や体育祭を成功させるのに夢中になっていましたよ。たった数日間のために1年間を費やす面白さ(笑)。大学で夢中になったのは国際交流。台湾と日本の大学生の交流を初めて行いました。夢中になるって、自分を突き詰めていくことにつながる、それが面白い。『夢中になっている時間を持続させる』という僕の課題を常に実現するには、様々な人や物事との関係性についても自ずとシビアになります。わがままになるとも言えます。それによって、自分がすべきことが見えてくる」
――高島さんと話していると、30年後を考えることは、そのまま今の自分のあり方につながるということが見えてきました。美味しい食べ物を家庭に提供することに夢中になっている高島さん、30年後にはぜひ、素晴らしい傘を発明していて下さいね!

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